塩素殺菌との違い
塩 素 殺菌力は濃度に比例し、細菌の細胞膜を通過して核酸を攻撃し酵素を侵すことにより死滅→残留殺菌性
●塩素は残留することにより、殺菌効果が持続し、細胞膜を通過して核酸を攻撃する死滅法のため、耐性菌ができやすくなります。
●オゾンは細胞全体を即効的に破壊するので耐性菌はできにくくなります。
●塩素は濃度が増すとともに殺菌力が増加します。
●オゾンはある濃度までは効果が現れませんが、一定以上になると急激に効果が出てきます。
表8 他の消毒・殺菌剤との比較
エチルアルコール |
次亜塩素酸ナトリウム (酸性水・電解水含む |
オゾン水 |
|
殺菌機構 | 菌体内代謝阻害作用 ATPの合成阻害 ※濃度による殺菌機構の差異 40~90%:構造変化、代謝阻害 20~40%:細胞膜損傷、RNA露出 1~20%:細胞膜損傷、酸素阻害 |
菌体内酵素破壊 細胞腰損傷 |
細胞壁等の表層構造破壊 濃度により内部成分破壊 (酵素、核酸等) 0.2~0.5ppm:細胞表層酸化 0.5~5.0ppm:酸素阻害 5.0ppm以上:内部成分破壊 |
殺菌に及ぼす 環境因子 |
酸性域(pH3~5)で効果大 アルカリ性域で効果小 |
pH4~6で効果大 アルカリ性域で効果小 酸性域で塩素ガスになり不安定 |
pH3~5安定 アルカリ性域で不安定 |
温度 | 高温で効果大 低温で効果小 |
高温で効果大 低温で効果小 |
低温で安定、高温で不安定 溶解度:低温で大 高温で効果大 |
有機物 | 殺菌力低下:小 高温度でたんぱく質変性 |
殺菌力低下:大 | 殺菌力低下:大 |
殺菌効果 | カビ、殺菌に効果大 酵母菌に効果小 |
細菌、ウイルスに効果大 | 0.3~4ppmで大腸菌・乳酸菌、サルモネラ菌、ウイルスに効果大 |
脱臭効果 | 効果なし | 効果小 | 効果大 |
ヌメリ除去効果 | 効果なし | 効果大 | 効果大 |
使用濃度 | 殺菌:45~90%(通常70~80%) 静菌:20~40% 誘導期延長:1~20% |
0.3~1.0ppm:水消毒 50~100ppm:野菜消毒 100~150ppm:手指消毒 100~300ppm:工場消毒 |
0.3~4ppm:手指消毒 0.5~3ppm:野菜消毒 5~10ppm:穀類洗浄 0.5~8ppm:工場洗浄 |
当該殺菌剤で 処理している 食品工場で検 出した微生物 |
酵母(Pichia anomala) カビ(Monlielloa suverolens) 細菌(Bacillus) |
乳酸菌(Leuconsotoc) 乳酸菌(Enterococcus) 乳酸菌(Lacobacillus) 大腸菌(E.cpil) カビ(Aspergillus) |
細菌(Bacillus) |
環境への影響 | 残留性は無い |
残留性は高い 塩素性化合物(トリハロメタン環境ホルモン)を作る 環境にはよくない |
残留性が無いため環境への影響はない 現在ISO14001対応で浄下水場にて塩素処理からオゾン処理に替わって来ている |
その他 | 揮発性大・刺激臭・引火性 たんぱく質の変性、異臭生成 耐性菌の可能性(MRSA等) |
酸性下で塩素ガスを生成する 皮膚。粘膜を刺激する 次亜塩素酸が残留する |
散布時にオゾンガスが発生する 有機物による分解が早い 脂質が表面にあると酸化する イニシャルコストが高い |
表9 オゾン生成装置と微酸性電解水の違いについて
○×△ 社 |
濃度計 |
冷却方式 |
塩素濃度 |
|
mg/L |
連軸 |
|||
微酸性電解水 |
- |
空冷式 |
30 |
10時間運転毎/希塩酸1㍑要交換 |
○×△ 社 |
塩素水量 |
環境殺菌 |
備考 |
||||
㍑/分(MAX) |
残留性 |
非接触センサー |
オゾン水配管の拡張性 |
環境殺菌生成 |
環境濃度コントロール |
||
微酸性電解水 |
5 |
あり |
● |
- |
- |
- |
株式会社 |
濃度計 |
冷却方式 |
オゾン水濃度 |
オゾン水量 |
||
mg/L |
連軸運転 |
㍑/分(MAX) |
残留性 |
|||
エルくりんjr |
- |
水冷式 |
1.0 |
可能 |
6 |
なし |
エルくりん |
- |
水冷式 |
1.0 |
可能 |
15 |
なし |
エルくりんDX |
デジタル |
水冷式 |
2.0 |
可能 |
30 |
なし |
株式会社 |
オゾン水量 |
オゾンエアー |
備考 |
||
非接触センサー |
オゾン水配管の拡張性 |
オゾンエアー生成 |
オゾンエアー環境濃度コントロール |
||
エルくりんjr |
● |
- |
- |
- |
|
エルくりん |
- |
● |
- |
- |
|
エルくりんDX |
- |
● |
● |
● |
水冷方式 |
:水冷による安定冷却により、安定濃度で良質のオゾン水が連続運転できます。 |
使用濃度 |
:オゾン水は塩素に比べ使用濃度が低く、手荒れの心配がありません。 手指消毒例=オゾン水:0.3~2mg/L/塩素:100~150mg/L |
ノロウイルスへの効果 |
:高濃度塩素(1,000mg/L以上)でもなかなか殺菌できないノロウイルスが、オゾン水なら15秒で90%、30秒以内で99.99%不活化できます。 |
残留性 |
:オゾン水には残留性は全くありませんが、微酸性水では「金属腐食性(錆び)が低くなっている」と表記され残留性を明記しています。 |
メンテナンスコスト |
:微酸性電解水の場合では、10時間使用毎に希塩酸1㍑の補充と、3年毎に電解槽が要交換となります。 |
:オゾン水では補充薬液の維持管理など全く不要で、空気乾燥剤/0.5年及び、分解剤カートリッシ/1年が交換となります。 |
|
機種ラインナップ |
:オゾン水を毎時360㍑~毎時10,000㍑、用途目的に応じて製品ラインナップ、備蓄用タンクが不要ですので、設置場所を取りません。またオゾンエアーとの併用で立体的で、さらに万全な衛生管理へと発展いたします。 |
表10 消毒剤の適用一覧
消毒物 |
オゾン |
グルタルアルデヒド |
ホルマリン |
次亜塩素酸ナトリウム |
消毒用エタノール |
ウエルパス |
ポンドンヨード |
両性界面活性剤 |
||
消毒対象物 |
環 境 |
● |
△ |
△ |
△ |
△ |
× |
× |
○ |
|
器具 |
金 属 |
▲ |
○ |
△ |
× |
○ |
× |
× |
○ |
|
非金属 |
▲ |
○ |
△ |
○ |
○ |
× |
× |
○ |
||
手指・皮膚 |
● |
× |
× |
△ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
粘 膜 |
● |
× |
× |
△ |
× |
× |
○ |
○ |
||
排泄物 |
× |
○ |
× |
△ |
× |
× |
× |
× |
||
対象微生物 |
一般細菌 |
● |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
MRSA |
● |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
||
緑膿菌 セパシアなど |
● |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
||
梅 毒 トレポネーマ |
● |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
結核菌 |
● |
○ |
○ |
△ |
○ |
○ |
○ |
△ |
||
真 菌 |
▲ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
||
芽 胞 |
▲ |
○ |
△ |
△ |
× |
× |
△ |
× |
||
ウイルス |
脂肪を含む 中間サイズ |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
|
脂肪を含まない 小型サイズ | ● |
○ |
○ |
○ |
△ |
△ |
○ |
× |
||
ヒト免疫不全ウイルス(HIV) | ● |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
||
B型肝炎ウイルス(HBC) |
● |
○ |
○ |
○ |
× |
× |
× |
× |
○=有効 △=十分な効果が得られない事がある ×=無効 |
表11 食品添加物としての殺菌剤
食品添加物の区分 |
添加物名 |
対象食品 |
使用後の処理 |
既存添加物 | オゾン | 制限なし | 蒸発する(自然分解) |
指定添加物 | 過酸化水素 | 制限なし | 分解又は除去しなくてはならない |
一般飲食物添加物 | エタノール | 制限なし | 蒸発する(自然分解) |
指定添加物 | 亜塩素酸ナトリウム | 限定される | 分解又は除去しなくてはならない |
指定添加物 | 高度サラシ粉 | 制限なし | 分解又は除去しなくてはならない |
指定添加物 | 次亜塩素酸ナトリウム | 限定される | 分解又は除去しなくてはならない |
指定添加物 | 次亜塩素酸水 | 制限なし | 分解又は除去しなくてはならない |
オゾンは食品添加物であり、自然分解するため後処理の必要がない